赤ちゃんの肌に戻れるのでしょうか?
生後100日の娘の頬に触れながら浮かんだ疑問

生後100日の娘の頬に触れながら浮かんだ疑問

娘が生まれて、もう100日になりました。
最近、仕事から帰って一番最初にするのは、娘の顔をのぞき込むことです。毎日見ている顔なのに、不思議と見飽きることがありません。
特に頬がそうです。
どうしてこんなにふにふにと柔らかいのでしょう。指先で軽く押すと、ふわっと沈んで、すぐに元に戻ります。
肌のキメも本当にきれいです。毛穴はほとんど見えず、小じわ一つなくハリがあります。
世の中には肌を良くしようと一生懸命努力している人がたくさんいるのに、この子は何もせず寝転がっているだけで、こんな肌をしています。
少し悔しいくらいです。
一つ不思議なことがあります。
爪が軽くかすっただけで、肌に赤い線ができるのです。
最初は傷ができたのではないかと驚いてよく見ました。幸いすぐに引くことが多いのですが、大人なら何事もなく過ぎるような小さな刺激でも、肌がすぐに赤くなります。
実は、赤ちゃんの肌は私たちが思うような完璧な肌ではありません。
赤ちゃんの表皮と角質層は大人より薄く、皮膚バリアもまだ発達の途中にあります。
皮膚バリアは外からの刺激が入るのを防ぎ、肌の水分が逃げるのを調節する役割をしています。ところが赤ちゃんは、この機能がまだ成熟している途中なのです。
そのため小さな摩擦でも刺激を受けやすく、よだれが長くついていたり乾燥したりすると、すぐに赤くなることもあります。
もちろん、爪がかすったときに赤い線が出るのは、皮膚の血管反応とも関係があります。一時的に赤くなる現象だけで、皮膚バリアの損傷や皮膚描記症だと断定することはできません。
ともかく、見た目は最高級の肌なのに、外からの刺激に対する防御力はまだ成長中というわけです。
では、よく言う「赤ちゃんのような肌になりたい」とは、正確には何を意味するのでしょうか?
考えてみると、私たちは赤ちゃんの肌のすべてを望んでいるわけではありません。
薄く敏感な皮膚バリアや、すぐに赤くなる性質まで似たいと思う人はいないでしょう。
私たちがうらやましく思うものは別にあります。
赤ちゃんの顔では、こうした要素がとても自然に調和しています。
赤ちゃんの肌は速く成長し、変化します。表皮と真皮が発達し、コラーゲンやエラスチンをはじめとするさまざまな構成要素も、成長に合わせて変化していきます。
そこに皮下脂肪がつくる丸い顔の輪郭まで加わって、私たちがよく思い浮かべる、ハリがあってやわらかい印象がつくられます。
しかし、時間がたつと状況は変わります。
肌は紫外線や外部環境に絶えずさらされ、コラーゲンやエラスチンの構造も少しずつ変わります。肌の弾力が落ち、小じわができ、キメも粗くなります。
顔の脂肪や支持構造も変わり、かつてはふっくらしていた頬がこけたり、たるんだりもします。
そう考えると、老化とは単にしわが一つ二つ増えていく過程ではなく、肌と顔を構成するさまざまな構造が一緒に変わっていく過程なのです。
最初にすべきことは、意外とシンプルです。
肌を傷めないことです。
紫外線から肌を守り、過度な洗顔や角質除去を避け、皮膚バリアが健やかに保たれるよう適切に保湿すること。
特別なことのない話に聞こえるかもしれませんが、こうした基本的なケアが肌の老化を遅らせるうえで重要な役割を果たします。
良いと言われる化粧品を10種類塗るより、自分の肌に合う数種類を続けて使うほうがよいこともあります。
もちろん、これだけですでに進んだすべての変化を元に戻すことはできません。
現代の美容医療は、肌の老化のさまざまな要素に、それぞれ異なる方法でアプローチします。
たとえばウルセラ(Ultherapy)や高周波(RF)リフティングは、肌と支持組織の弾力低下の改善を目指す施術です。超音波や高周波のエネルギーで組織に熱刺激を届け、コラーゲンの再構築を促す方法です。
ポテンツァ(Potenza)やヴァーチュ(Virtue)のようなマイクロニードルRF施術は、真皮に微細な刺激と高周波エネルギーを届け、肌のキメや小じわ、一部の傷跡、弾力の悩みの改善に用いられます。
肌のうるおいや小じわが悩みなら、ヒアルロン酸ベースの注入治療などで肌の状態を整えることもあります。
また、顔のボリュームが減った場合には、フィラーなどで足りない部分を補うことができます。
結局のところ、異なる施術が目指す方向には共通点があります。
時間とともに変わった肌の弾力、キメ、うるおい、ボリュームを、可能な範囲で取り戻そうとすることです。
ある意味では、私たちが赤ちゃんの肌を見てうらやましく思った特徴とよく似ています。
だからといって、施術を受ければ肌が赤ちゃんの頃に戻るという意味ではありません。
大人の肌には大人の構造と機能があり、赤ちゃんの肌とは出発点から違うのですから。
むしろ大切なのは、今の自分の肌がどんな状態なのか、何が足りなくて何は十分なのかを知ることでしょう。
すべての人に同じケアが必要なわけではなく、強い施術をたくさん受ければ必ずより良い結果が出るわけでもありません。
ときには、何かを足すより、しないほうがよい選択であることもあります。
私たちが望んでいるのは赤ちゃんの肌に戻ることではなく、赤ちゃんの肌でうらやましく思った特徴を、大人になった今もできるだけ長く保つことなのかもしれません。
こんなことを考えていると、最近娘にしているスキンケアが思い浮かびます。
体を洗ってあげて、ローションを塗ってあげて、よだれがついたら拭いてあげて、肌が赤くなったらなぜなのかを確かめる。それだけです。
保湿剤を一つ塗るときでさえ、塗りすぎていないか、服がこすれていないかと気にかけてしまいます。
考えてみると、大人になってからは肌に何かを足すことに関心が向きがちですが、赤ちゃんには何かから肌を守ることにより気を配っているように思います。
もしかすると、スキンケアの出発点は年を重ねてもそれほど変わらないのかもしれません。
娘は少しずつ首がすわり、目を合わせ、笑うようにもなりました。
アルバムには似たような写真が何百枚もたまっています。ほかの人から見れば、どれも同じ写真に見えるかもしれません。
でも私の目には、どれも微妙に違って見えます。
昨日より頬が少しふっくらしたような気がするし、今日は笑顔がもう少しかわいくなった気がします。
これからこの子も成長するにつれて、肌も顔も大きく変わっていくのでしょう。
今のふにふにの頬もいつかは変わり、肌も少しずつ成熟していくはずです。
いつか娘がスキンケアに悩む年頃になったら、きっとそのときも私はあれこれ話してあげたくなると思います。
もっとも、そのころ娘が私の話をちゃんと聞いてくれるかはわかりません。
まだ100日なのに、今から心配することではありませんね。
今はこの小さな顔を毎日眺めているだけで十分です。
ただ、一つだけ気をつけなければなりません。
どんなに頬がかわいくても、もう爪がかすらないようにすることです。
パパの好奇心より大事なのは、娘の肌ですから。
施術の適応・効果・持続期間には個人差があります。施術を受けるかどうかは、必ず医師と直接相談のうえでお決めください。