一生使う顔
Long-Lasting Beauty — 今日の美しさが10年後も自然であるように

Long-Lasting Beauty — 今日の美しさが10年後も自然であるように

カウンセリングをしていると、ときどき、特に施術を受けるつもりはなかったのに、友人について来て、なりゆきでカウンセリングまで受けることになった方がいらっしゃいます。
あれこれ話をしたあと、最後にこうおっしゃることがあります。
「私はこのままで生きていきます。」
「うーん…思っているより、ずいぶん長く生きることになりますよ…」
もちろん、それでいいのです。今の自分に満足しているなら、あえて何かを変える必要はありません。ただ、私の心の声はときどき少し意地悪です。
韓国人の平均寿命(出生時の平均余命)は平均83.7歳。男性は80.8歳、女性は86.6歳だそうです。
| 韓国 2024年 出生時の平均余命(歳) | ||
|---|---|---|
| 全体平均 | 男性 | 女性 |
| 83.7 | 80.8 | 86.6 |
韓国国家データ処「2024年生命表」の出生時平均余命。個人ごとの残りの寿命を意味するものではありません。
カウンセリング室で主にお会いするのは30〜50代の方です。ごく単純に考えれば、30代ならこれから約50年、50代なら約30年、自分の顔とともに生きていくということです。
30年、50年。思っているよりずっと長い時間です。
「このままで生きていきます」という言葉は、思いのほか長期的な計画なのです。
古い建物は外壁が傷み、配管が老朽化し、あちこち手入れが必要になります。車もエンジンオイルを替え、タイヤを交換しながら長く乗りますよね。
では、顔はどうでしょう?
私たちは一生、同じ顔とともに生きていきます。正確には、毎日少しずつ変わっていく顔とともに。
肌のコラーゲンとエラスチンの構造が変わり、ハリが失われ、脂肪や支持構造もゆっくりと変わっていきます。ある日突然老けるのではありません。一日一日の変化が小さすぎて、気づかないだけです。
そしてある日、昔の写真を見て驚くのです。もちろん、スマートフォンのインカメラのせいかもしれません。そう信じたいときもありますし。
年を重ねることは故障ではありません。その時間の中で生まれる魅力も確かにあります。ただ、これから長く付き合う顔なら、どうケアしていくかを一度は考えてみる価値があります。
時の波風を避けることはできませんが、何の準備もなく迎える必要まではないのですから。
スキンケアが必要な時期を考えると、たいていは目に見える変化が起きたあとです。しわが深くなり、頬がこけ、フェイスラインがぼやけたとき、ようやく「そろそろ何かしたほうがいいかな?」と思うのです。
でも、そのときになって気づくことがあります。ケアをしていない間も、肌はその場に止まってはいなかったということです。
友人と同じように年を重ねていると思っていたのに、数年後の写真を見ると差を感じることがあります。紫外線、喫煙、睡眠、体重の変化、生まれつきの肌質、そして日ごろのケアが、それぞれ違う跡を残すからです。
そのときになって「もう少し早く気をつけていれば」と思うかもしれません。過ぎた時間を一度に取り戻すのは、思うより難しいものです。
だからといって、誰かが先に施術を受けたからといって、自分だけが取り残されたわけではありません。人より先に始めることが大切なのではなく、自分の肌の変化を長く見ないふりをしないこと。 その程度の緊張感は持っていてもよいと思います。
今日何もしないことも、一つの選択です。ただ、時間はその選択に関係なく流れていきます。
こけたところは埋めたい、たるんだところは引き上げたい、しわは減らしたい。自然な気持ちです。
でも、今よく見える変化が、これからもずっと良い変化でしょうか?
ボリュームが足りないように見えるからと埋め続けると、はじめは自然だった顔のバランスが変わってしまうことがあります。逆に、たるみが気になるからといって、とにかく強く引き上げるのも答えではありません。
顔はパーツごとに別々に存在しているわけではありません。額、こめかみ、目元、頬、フェイスラインがつながり合って、一つの印象をつくります。
鼻だけ見ればきれいなのに顔全体では不自然だったり、あご先だけ見ればシャープなのに全体では長すぎて見えたりします。部分点は高いのに、総合点が不自然なケースです。
顔には、こうしたことが思いのほかよく起こります。
カウンセリングでよく聞かれる質問です。
「これ、どのくらい持ちますか?」
「施術によって、3か月、6か月、1年ほど持続する場合があります。」
「えー、じゃあ過ぎたら終わりですね?」
そう思うのも無理はありません。お金も時間もかけ、ときには痛みまで我慢したのに、数か月で効果が薄れると聞けば、少し虚しく感じるでしょう。
でも私は、施術の持続期間を効果が消える日としてだけ考えてほしくないのです。
ある施術は一定期間しわをやわらげ、ある施術はコラーゲンの再構築を促し、またある施術は足りないボリュームを補います。その効果が続く間、私たちは改善された状態で過ごしています。
ただし、効果が6か月続くからといって、生物学的な老化がちょうど6か月遅れるわけではありません。施術ごとに作用の仕組みも長期的な変化も違うからです。その点を区別しつつも、その期間に得た変化の価値は十分に考えてみることができます。
よく「肌は積立式」と言います。私はこの表現がとてもわかりやすいと思います。
積立貯金も、一晩で大金が貯まるわけではありません。少しずつ貯めていって、時間がたってから差が見えてきます。
スキンケアにも似たところがあります。毎日日焼け止めを塗り、皮膚バリアをいたわり、必要なときに適切な治療を選ぶこと。それらが、時間がたったあとの肌の状態に影響を与えることがあります。
一日や二日では、大きな差はないように見えるでしょう。でも5年、10年たったらどうでしょう?そのころには、それまでの選択が顔に少しずつ跡を残しているかもしれません。
もちろん、肌は銀行口座のように毎月同じ利息がつくわけではありません。遺伝、生活習慣、環境はそれぞれ違い、すべての施術の効果が積み重なるわけでもありません。頻繁に受ければ受けるほど良くなるわけでもありません。
それでも、長い時間で見れば、今の小さなケアが未来の顔に影響しうるという考え方は、十分に考えてみる価値があります。
施術の効果がいつ終わるかだけを考えるのではなく、その効果を楽しむ時間と、こつこつ貯めてきた若さの時間も一緒に考えてみてほしいのです。
だからといって、スキンケアを「誰がたくさんやったか」の競争と考える必要はありません。貯蓄に計画が必要なように、スキンケアにも自分に合ったペースと間隔があるのですから。
私たちはよく、年齢より若く見える顔を良い顔だと考えます。でも、必ずしもそうとは限りません。
年を重ねるにつれて、むしろ素敵になる人もいます。表情や雰囲気にその人ならではの魅力が生まれ、顔のラインが自然に整っていくこともあります。
反対に、しわをすべて消し、ボリュームをたっぷり満たしたのに、どこか不自然に見える顔もあります。
顔の美しさは、単に若さの度合いだけでは決まらないからでしょう。肌の健やかさ、顔のバランス、表情、その人に似合う雰囲気がともに働いているのです。
もちろん、60代でも40代のように見られたいという気持ちはわかります。人の心とはそういうものです。
ただ、40代には40代の魅力があり、60代には60代の素敵さがあることも忘れないでほしいと思います。
肌のキメを整えるレーザー、高周波や超音波のリフティング、足りないボリュームを補うフィラーまで。顔をケアする方法は本当に多様になりました。
選択肢が増えるほど大切なのは、今の自分の顔に本当に必要なものが何かを知ることです。
肌のキメが悩みの人にボリュームを足す必要はなく、ボリュームの減少が主な問題の人が強いリフティングだけを繰り返しても、望む結果が得られるわけではありません。
そして場合によっては、何もしないほうがよいこともあります。この選択こそ、いちばん難しいときもありますね。
良いケアとは、何かをたくさんすることではなく、必要なことを適切な時期にすることだと私は考えています。
私たちは毎日鏡を見ますが、10年後の顔を先に見ることはできません。今日の選択がそのときどんな姿で残るのかも、正確にはわかりません。
けれど、今日の顔が明日の顔になり、そうして積み重なった時間がこれからの顔をつくっていくことは確かです。
ある変化は自然に受け入れ、ある変化は少し遅らせ、またある変化は適切な助けを借りて改善できるでしょう。
大切なのは、何が何でも若く見える顔をつくることではありません。年を重ねても、自分らしく、自然で、長く見ていても好ましい印象を保つことです。
顔は、今日一日きれいに使って捨てる物ではありません。これからも長く、とても長くともに生きていく、自分の顔です。
ですから、施術を決めるときにも、一度はもう少し長い時間を考えてみてほしいのです。3か月後に効果がどれだけ残っているかだけでなく、3年後、10年後にどんな顔で過ごしていたいかも。
どうせこれからもかなり長く使う顔なのですから。
そしていつかまたカウンセリング室で「私はこのままで生きていきます」という言葉を聞いたら、きっとまた心の中で同じことを思うでしょう。
「うーん…でも、これからまだずいぶん長く使う顔なのに…」
もちろん口には出しません。それはただの私の考えですから。
統計:韓国国家データ処「2024年生命表」の出生時平均余命。本文の30年・50年は長い時間の意味を伝えるためのおおよその表現です。施術の持続期間・効果およびリスクは施術の種類と個人の状態によって異なり、個人差があります。